前回(エネルギー問題はユーグレナで解決?その1)、ユーグレナから作り出されるバイオ燃料が将来、人類を悩まし続けているエネルギー問題を解決するかもしれないということをお話しました。
しかし、この夢のようなバイオ燃料の完全実用化はもう少し時間と研究が必要なようです。
実はユーグレナからバイオ燃料(以下、「ミドリムシ燃料」と呼びます)を作り出すことは技術的にはすでに確立しています。
しかし、実用化を阻む最大の要因はその生産コストの高さにあります。
ミドリムシ燃料のあまりに高い生産コスト
現在、ミドリムシ燃料を1ℓ作るために600円~800程度のコストがかかってしまうようです。
同じバイオ燃料であるバイオエタノールでは1ℓあたり40円の生産コストとされていますから、実に15倍から20倍の生産コストがかかる訳です(ちなみにガソリン価格は店頭で同167円前後)。
これは確かに実用化するにはあまりに高いですね。
このため、この高い生産コストをいかに引き下げるかが現在、研究の焦点となっています。
進むミドリムシ燃料の研究
ユーグレナ社は現在、「JX日鉱日石エネルギー株式会社」「株式会社日立プラントテクノロジー」といったエネルギー関連企業と提携をし、ミドリムシ燃料の開発を続けています。
特に2014年には いすゞ自動車とバイオベンチャーのユーグレナが協力して、ミドリムシから抽出した油を使いバス運行を始めました。
これは従来の軽油にミドリムシから抽出した油を最大5%配合したものであり、最終目標であるユーグレナ100%のバイオ燃料にはほど遠いものではありましたが、開発途上の藻類燃料を継続利用する試みとしては国内初のことであり、ミドリムシ燃料の実用化に向けて大きな一歩でした。
株式会社ユーグレナ社は2018年にはミドリムシから作り出したジェット燃料で飛行機を飛ばせるようにしたいとの抱負を述べていますが、このままの研究ペースで行けばそれは決して夢物語ではありません。
ミドリムシ燃料が石油にとって代わる日もそう遠くない未来に実現するかもしれませんね。