みどりむしサプリメントを代表するように栄養面での注目度が高いユーグレナですが、実は石油に代わるエネルギーとしても注目されていることをご存じでしょうか?
なんと、ユーグレナからバイオ燃料を作り出す技術はすでに確立されており、現在も実用化に向けて鋭意研究中なのです。
メリットしかないミドリムシ燃料
「ユーグレナから燃料を作り出す」と聞くと、「そんなことが本当にそんなことができるのか?」と思われるかもしれませんが、基本的にはサトウキビやトウモロコシから作り出すバイオ燃料と同じです。
ただしミドリムシ燃料は従来のバイオ燃料と比べても次のような数多くの長所を持っています。
- 食料と競合しない
- 高い生産性
- ジェット燃料としても使用可能
- 燃焼しても二酸化炭素が増えない感染循環性
食料と競合しないバイオ燃料
バイオ燃料はクリーンな燃料として昔から期待されていましたが、その一方で材料となるサトウキビやトウモロコシが食料としても必要とされているということが大きな問題でした。
土地の問題からサトウキビやトウモロコシの生産量にはおのずと限界があり、これらをバイオ燃料の材料にすると、それだけ、食料になる分が減り食糧不足や価格の高騰を招く。
この問題がどうしても解決できなかったため、バイオ燃料の生産はどうしても低めに抑えなければなりませんでした。
しかし、ミドリムシは生産施設があればあるだけいくらでも増産できるうえ、本来食料にすべきものを燃料にする訳ではないので、食糧不足や価格の高騰を招くことはありません。
このため、ミドリムシ燃料はいくらでも作り出すことができるのです。
ミドリムシ燃料は生産性が高い?
ミドリムシはサトウキビやトウモロコシなど現在バイオ燃料候補として挙げられている植物よりも敷地面積当たりの油脂生産性が高いという特徴を持っています。
実際、株式会社ユーグレナが行った生産実験によれば、 なんと油ヤシの実に比べ15倍以上の生産が可能ということが分かっています。
これはミドリムシと他の原料を同じ量を使用してバイオ燃料を生産した場合、ミドリムシの方がはるかに多くのバイオ燃料を作り出すことができるということを意味しています。
ミドリムシで飛行機が飛ぶ
何とミドリムシから作り出すバイオ燃料では、飛行機の燃料であるジェット燃料としても使用可能です。
ジェット燃料には、軽油のように軽質であることが必要不可欠なんですが、ミドリムシから抽出・精製されるオイルは非常に軽質であるため、ジェット燃料に適しているのです。
燃焼しても二酸化炭素が増えない循環性
現在のメインエネルギーである石油を初め、ほとんどの燃料に共通する問題は燃焼させると二酸化炭素が発生することです。
しかし、ミドリムシ燃料を使用した場合、大気中の二酸化炭素の量は増えません。
確かにミドリムシ燃料を燃焼させても二酸化炭素は発生します。
しかし、ミドリムシは光合成により二酸化炭素を吸収して育つため、二酸化炭素を出しても結果的に空気中の二酸化炭素は増加しません。
すなわちミドリムシ燃料はこれまで実現不可能だった完全循環型の燃料なのです。
以上の特徴により、ミドリムシ燃料は石油に代わるエネルギーとして高い期待が寄せられているのです。
ただし、このミドリムシ燃料の実用化には少しばかり時間がかかりそうです。
その理由については次回の更新でお話します。