葉酸は、ミドリムシ(みどりむし)に含まれる14種のビタミンの1つです。
ビタミンB群の水溶性成分で、「ビタミンB9」「ビタミンM」「プテロイルグルタミン酸」とも呼ばれています。
1941年に乳酸菌を増殖させる成分としてホウレンソウの葉から発見されたことからこの名前が付けられました。
葉酸の効果
葉酸は細胞が増殖するために必要なDNAの合成に深く関係しています。
また、わたしたちの体を構成するタンパク質を合成するために必要な必須アミノ酸・メチオニンを体内で作る過程において重要な働きをしています。
厚生労働省がサプリメントでの摂取を推奨
近年、葉酸に対する注目が高まっています。
その理由のひとつとして、2000年12月に厚生省(現在の厚生労働省)から妊娠の可能性がある女性に対して出された通知があります。
妊活中の女性は特にご注意を!
胎児の体内で爆発的なスピードで細胞増殖が行われる妊娠初期に、お母さんの葉酸摂取量が少ないと、胎児の神経管閉鎖障害(※)発症リスクが高まるという報告が、外国での多くの研究から出されたのです。
※神経管閉鎖障害…脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠4~5週頃に起こる先天異常
そのため、厚生省は妊娠の可能性がある女性に対して食事からの葉酸摂取だけでなく、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400μg(=0.4mg)の葉酸を摂って欲しいという通知を出しました。
通知にある『妊娠の可能性のある女性』という表現に違和感を感じた方もいるのではないでしょうか。
実はお腹の中の赤ちゃんが葉酸をもっとも必要とするのは妊娠4~5週で、この時期はお母さんが妊娠に気付いていないことも多いのです。
つまり、妊娠が分かってからではなく、妊娠に臨む段階(妊活中)から葉酸を積極的に摂る必要があるということです。
現在、葉酸を含んだサプリメントは日本を含めた約60ヵ国でその効能が認められ、摂取が推奨されています。
摂取の際の注意点として、
- ・摂取量が1日1000mg(ミリグラム)を超えない
- ・葉酸以外のビタミンも摂取するためにバランスのよい食事を心がける
- ・禁煙、禁酒
なども添えられています。
葉酸を多く含む食品
葉酸を豊富に含んでいる食品は以下が挙げられます。
- ・レバー
- ・緑黄色野菜
- ・果物
- ・納豆
- ・ナッツ類
まとめ
葉酸の1日の摂取推奨量は、成人男性・女性ともに0.24mgです。
※妊婦さんはプラス0.24mg、授乳期はプラス0.1mg。
出典・日本人の食事摂取基準(2015年版)
※項目についてはミネラルの項をご覧ください。
年齢、性別を問わずに十分な補給を!
最近の研究によると、葉酸をきちんと摂取することで
- ・動脈硬化や虚血性心疾患の予防
- ・閉経後の乳がん発症率が低くなる
といった効果があるとの報告があります。
葉酸は年齢や性別に関係なくしっかりと摂取したい成分です。