宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国際宇宙ステーション内の「きぼう」日本実験棟を利用するテーマに「宇宙空間におけるミドリムシによる物質循環サイクルの実現可能性検証」を選びました。
「きぼう」利用テーマは国策に沿ったもの
JAXAでは国際宇宙ステーション内の「きぼう」日本実験棟の船内環境を利用するテーマとして、従来は科学的意義と宇宙実験の実現性を重視していましたが、今回の募集では国の戦略研究や施策への貢献を重視して選定を行いました。
テーマは「国の戦略的研究募集」と「独創的かつ先導的で、国際的に高い水準の成果が期待できる一般募集」の二つの区分で募集され、合計12件を選定しました。
ミドリムシによる物質循環サイクルについて宇宙空間で検証
選定されたテーマの一つが「宇宙空間におけるミドリムシによる物質循環サイクルの実現可能性検証」です。
このテーマは九州大学大学院工学研究員の星野准教授を代表に研究メンバーが構成されています。
実験では、宇宙空間(閉鎖的空間)にて、人の呼吸や排出物から発生する二酸化炭素やアンモニアやリン酸などを用いて、ミドリムシを培養して食資源にすることで物質循環の根幹を構築することを目的とします。
国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟では、微重力環境でミドリムシの代謝パターンの変化等が調べられます。
JAXAと研究者が協力して実験計画の検討を行い、2年以内の宇宙実験の実現性の目途を立てる予定と発表されています。ミドリムシへの期待がまた大きく広がる計画となります。
(出典)
株式会社ユーグレナ お知らせ 2015年12月24日
http://www.euglena.jp/updates/2015/?cat=3
JAXAプレスリリース 2015年12月22日
http://www.jaxa.jp/press/2015/12/20151222_kibo_fs_j.html