株式会社ユーグレナは2020年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画の始動について、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日本空輸の協力のもと計画を推進すると発表しました。
具体的な内容は、2018年の稼動開始を目指した日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを横浜の京浜臨海部に建設します。ミドリムシからASTM規格*に準拠したバイオジェット燃料を製造することはすでに成功しており、飛行機にも入れることができる目処がたっています。
12月1日、羽田空港で開かれた記者会見で全日空の殿元専務は「実証プラントでつくる燃料を混合し、実際のフライトで使う」と述べています。実証プラントではミドリムシのほか、さまざまなバイオマス油脂原料からジェット・ディーゼル燃料を製造します。
ユーグレナの出雲社長は今回の発表について、フランスのパリで開催している「COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)」を挙げ、二酸化炭素排気量を2020年以降増加させないという航空業界の取り決め「CNG2020」に貢献したいという理由を述べました。バイオ燃料の原料はCO2を吸収するため、燃やしてもCO2の総量が増えないため注目を集めています。
実用化に向けた最大の課題は価格をどう下げるか。現状、石油由来のジェット燃料の10倍程はするとされているバイオ燃料のコストについて、商用段階では実証設備の400倍以上の規模でのプラント建設を構想しており、海外に大規模拠点を設ける検討がされています。
*ASTM規格:世界最大規模の標準化団体である米国試験材料協会(ASTM International(旧称American Society for Testing and Materials:ASTM)が策定する規格。ASTMは世界最大級の民間規格制定機関(非営利団体)で、約130分野(プラスチック、金属、塗料、繊維、石油、建設、エネルギー、環境、消費財、医療サービス・機器、コンピュータシステム、電子など)の標準試験方法、仕様、作業方法、ガイド、分類、用語集を作成し、出版している。