日刊工業新聞社の「ニュースイッチ」にて、株式会社ユーグレナ 社長の出雲充氏の講演内容について紹介されました。
なぜミドリムシに関わることになったのか。
学生時代に初めての海外、バングラデシュに行った。何か土産を持っていこうと思い『カロリーメイト』をたくさんトランクに詰めて持っていった。世界には食べ物に困っている人が10億人もいると聞いていたからだ。
しかし、実際にはお腹がすいて困っている子供など一人もいなかった。いなかったが、食事は毎日カレーライスと豆のスープばかり。肉、魚、卵など動物性タンパク質や野菜、フルーツが不足していた。
問題はハラペコではなく栄養失調だった。
帰国して食べ物についていろいろと調べた。
一般に植物が持つ栄養素と動物が持つ栄養素を併せ持つ生物はほとんどいない。
ところがミドリムシは植物と動物の両方の性質を持つとても珍しい生き物だと分かった。ミドリムシで栄養失調の問題が解決できると考えた。
ミドリムシは栄養失調、さらにはエネルギー問題まで救うかもしれない。
ミドリムシの可能性を信じて起業するも、相手にされない日々が続いた。
「そんなミドリムシみたいなくだらない仕事なんてやめた方がいい」。会う人、会う人にそんなことを言われたが
私たちはミドリムシをくだらないと考えなかった。
500社目の訪問先、伊藤忠商事に出会いやっとミドリムシを買ってくれた。そこから次々と大企業が集まり人も増えた。
皆さんに言いたいこと。
とにかく試行回数を増やす。何回もやるということが、一番になるかならないかの最大の分かれ目だ。
私には2018年までにミドリムシを使ったジェット機で羽田から石垣島行きの旅客機に乗る夢がある。
成功するまで500回でも1000回でも挑戦するつもりだ。
皆さんも目標に向かって、458回でやめないよう挑戦し続けてほしい。
(2013年7月4日キャンパスベンチャーグランプリ東京 / 2015年5月24日 日刊工業新聞「ニュースイッチ」 )